2017年にウィアリアム・ゴールディングの「蠅の王」の新訳が出たので、購入して読んでみた。 蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫) 作者: ウィリアムゴールディング,William Golding,黒原敏行 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/04/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (5件) を見る 細かく読み比べた一章だけをとっても、旧訳(平井正穂訳)と新訳(黒原敏行訳)では印象がまったく違う。 ひとつひとつの訳文を読むだけだと些細な違いなのだが、その積み重ねで話の中でどこにフォーカスしているかの違いが浮かび上がってきて、別の話のように読める。 初読の人にどちらがおススメか、と言われれば新訳を推す。 旧訳は固い言い回しが多く、読みづらい。新訳は問題点に意識的に陰影をつけていて、物語を理解しやすいなどの利点が多い。 旧訳には旧訳のいいところがあり、この点、この部