イデオン論 イデオンは、難しい物語でした。 もちろん、ストーリーを追うだけなら簡単です。異星人間の出会いが、エゴにより破滅に導かれる。しかし、両種族間の子供が救世主の役割を担い、イデの力で、新たなる生命として再生していく・・。 しかし、イデオンという作品が内包していたものは、これだけではないでしょう。どのような観点から考えれば、イデオンという物語の可能性を十分に理解することができるのでしょうか。結局イデとは何だったのでしょうか。そのことを考えると、イデという概念の謎もさることながら、ひとつひとつの演出の意味を解きほぐし、全く異なる観点から結び合わせていく必要がああります。 第1章 ファースト・コンタクト(異文化との接触) イデオンは、初めは、地球人とバッフクラン人という2種族の出会いを描いた、いわゆる「ファースト・コンタクト」ものとしてはじまります。 このような2種族の出会いを描く物語は、