橋下徹大阪市長(日本維新の会共同代表)が出直し市長選に踏み切った要因の一つが、市政運営などで一定の協力をしてきた公明党との関係に亀裂が入ったことだ。 「分かりました。市長を辞めます」 大阪都構想の制度設計を話し合う法定協議会を翌日に控えた1月30日夕方、市長室で、橋下氏はしばらく沈黙した後、向き合う公明市議団幹部に言い放った。 市を特別区に分割する四つの区割り案を一つに絞り込みたいとする橋下氏に対し、公明幹部は「議論が不十分で賛成できない」と伝えた。いきなり辞職を持ち出した橋下氏に、「4案で続ければいい」「集中審議をしてもいい」と翻意を促したが、橋下氏は「僕のこだわりです。もう変えられません」と返した。 法定協で、公明は自民、民主、共産とともに絞り込みに反対。大阪維新の会側は「都構想は暗礁に乗り上げた」(幹事長の松井一郎府知事)と受け止めた。 ◇ 「議席欲しさに都構想に協力すると言って、議