街歩きが好きだ — 雑踏の社会学 元祖街歩きエッセイスト 街歩きが好きな方なら川本三郎さんのことをご存知の方も多いだろう。 川本さんは映画評論家や文芸評論家として活躍されているが、東京の街歩きエッセイイストとしても有名な方だ。 僕はどういう経緯で川本さんのことを知ったかはもう憶えていないが、30歳前後の、街歩きを始めたかなり早い段階で川本さんの著書と出会い、かなりの数を読んだ。 「東京街歩きエッセイ」としては、古いところでは永井荷風氏の「日和下駄」や池波正太郎氏の「銀座日記」なども有名だ。 あと、変わったところでは、エドワード・ファウラー氏の山谷潜伏期「山谷ブルース」なども面白かった。 川本三郎さんのエッセイは、どこかノスタルジックで、でも現代の東京を否定するのではない、絶妙のバランスで書かれている。 そして文章に街に対する愛着と温かみがあるのも特徴だ。 僕の中では「街歩き」といえば川本さ
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