「ニッポンの顔」をつくるというのに、なんだかいつまでもスッキリしない。今回出てきたA案とB案も、裏にはいろいろあるようだ。国民の願いはただ一つ。誇りを持てる競技場をつくってほしい。 リスクを怖がる人たち 「オリンピックの本来の意義は、目標を持った人々がそのチャレンジ精神を披露することにあると思います。それだけに、今回、新国立競技場の公募が『狭き門』になってしまったことは残念でなりません。 コストと工期ばかりが重要視され、それだけで評価されては、建築家は力を発揮できるわけがない。今回提案された2案はいずれも、'64年の東京オリンピックの際に丹下健三氏が建設した国立代々木競技場のような、世界に誇れるスタジアムには成り得ないでしょう」 そう語るのは、新国立競技場建設計画のコンペへの参加を断念した、神戸大学大学院工学研究科教授の遠藤秀平氏だ。 ようやく決定される運びとなった、新国立案。だが、再選と