思わぬけがや病気に見舞われて入院や手術という事態はだれにでも起き得るリスクだ。身体のダメージに加え、経済的な負担まで大きければ、身も心もボロボロということになりかねない。万が一のための「安心」、いざというときの「備え」、もしもの「お守り」――。そんなうたい文句で加入を促す保険パンフレットも多い。でも、医療保険は本当に必要だろうか。ファイナンシャル・プランナーで辛口保険評論家の長尾義弘氏が、パンフレットに書かれている数字や言葉の真意を読み解く。 医療保険は本当に必要か? 「入院の平均日数は約30日」 医療保険のパンフレットを見ると、その説明の中に「入院の平均日数は約30日」というのがあります。これは、厚生労働省の資料に基づいている数字です。 同じ厚労省の資料に中に、4日以内に退院する人は33.3%、7日以内に退院する人は48.7%という数字もあります。つまり、入院患者の約半数は、1週間以内に