エレキギターの「レスポール」シリーズなどで世界的に知られる米楽器最大手、ギブソン・ブランズが経営不振に陥っている。若者のロック離れなどで主力のエレキギターの販売が振るわず、オーディオ機器にも事業を広げたが、膨らんだ債務が重荷になっている。数々の名ギタリストが愛用した老舗ブランドは、かつてない苦境に立たされている。 「債務の期限が迫るなか営業の低迷が続き、あと半年のうちに債務不履行に陥る可能性がある」 米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは2月21日、ギブソンの信用格付けを「CCCマイナス」に引き下げた。21段階の格付けのうち下から3番目だ。借り入れなどの債務は計5億1900万ドル(昨年末時点、約550億円)にのぼり、今夏に返済期限が来る。 本社を置く米テネシー州の地元紙ナッシュビル・ポストは2月上旬、「世界でもっとも知られた地元ブランドの一つが、破産裁判所行きになるかもしれない」との