印刷 杉の木を伐採する芳賀正彦理事長(右)と松村紀貴さん=岩手県大槌町、金川雄策撮影 被災地の里山の間伐材を薪にして売る「復活の森」プロジェクトが、岩手県大槌町吉里吉里で始まった。山主の多くは被災した漁師。間伐材で稼ぎ、山がきれいになり、豊かな土の養分が海に流れ込んで本来の仕事場である漁場もよくなる、という「一石三鳥」を狙う。 主体は、約50トンの木材がれきを「復活の薪(まき)」として売って被災者の臨時収入としてきたNPO法人「吉里吉里国」(当初は任意団体)。一帯の里山の6割を所有するのは漁師で、すでに10人以上から間伐の許可を得ているという。 この日は、芳賀正彦理事長(63)と松村紀貴さん(40)が樹齢50年以上の杉が並ぶ林に入った。霜の降りる中、成長の悪い木を見定めて伐採。1本倒すと、太陽の光がすっと差した。「残った木は何十年後かに『吉里吉里杉』と呼ばれるくらいになってほしい」と