アベノミクスによる円安と株高が、日本経済の構造転換を浮き彫りにしつつあります。個人消費に回復の兆しが見られる一方で、円安にもかかわらず輸出の回復が遅々として進みません。両極端なこの現象は、日本が輸出主導型の経済から個人消費主導型経済への変化を示している可能性があります。 本格的に個人消費が拡大? 昨年末に日経平均が上昇を始めてから、個人消費の拡大が顕著になってきています。当初は高級ブランドや外車など富裕層向けの商品が中心であったことから、株高による限定的な資産効果(手持ち資産の価格が上がることで購入意欲が高まり消費が増えること)と思われていました。しかし、3月に入ると衣類や生活用品の売上増加など、消費拡大が中間層にも波及していることを示す兆候が出始めました。4月に入って多少の減速が見られるものの、個人消費の堅調さが目立っています。 円安にもかかわらず、輸出が回復しない 一方で、日本経済の柱