「追悼 俳優・山城新伍さん 惜しまれるアドリブ役者」：イザ！■脚本家・高田宏治 山城新伍さんと私は、俳優と社員の立場で同時期に東映の京都撮影所に配属され、私の脚本家としての処女作「白馬童子」が彼のデビュー作となった奇（く）しき縁にある。 「白馬童子」で山城は茶の間の人気者になったが、大衆娯楽の主役がスクリーンからブラウン管に移り変わり、萬屋錦之介や大川橋蔵などの大スターがテレビの時代劇に出演するようになると、実績と貫禄（かんろく）不足の白馬童子はたちまち行き場を失ってしまった。関連記事俳優、山城新伍さんが死去 死因は肺炎「批評眼持った役者だった」脚本家・高…記事本文の続き その後、低予算で細々と存続したニュー東映の時代劇映画で脇役として精いっぱいの存在感を見せてくれたが、山城が俳優として本領を発揮したのは「仁義なき戦い」など実録ヤクザ路線に入ってからだった。 深作欣二監督は、強面（こわもて）の主役のかげで、巨大暴力組織や警察に軽妙な機転で迎合しつつ
