誰でも編集・執筆できるインターネットの百科事典「ウィキペディア」で、新潟県中越地震の震源が今月14日にまたも書き換えられ、震源地の川口町は対応に苦慮している。書き換えでは、気象庁の発表に沿って震源を“新潟県中越地方”とされ、間違いではないものの、「川口町」の記述が消えてしまったためだ。 中越地震の震源については当初、ウィキペディアに「小千谷市」という誤った記述があり、川口町が修正。その後、一時的に編集合戦となったが、気象庁のデータをもとにGPS(衛星利用測位システム)で特定した震央(震源の真上の地表)が川口町と理解され、震源の記述は「川口町」が定着していた。 震災復興で震央の町をアピールしている川口町にとってウィキペディアから町名の記述が消えるのは大きなマイナスだが、町は「間違いでもないものを変更すれば水掛け論になりかねない」と対応を決めかねている。