スマートフォンの普及で、ケータイの利用は音声通話から高速データ通信に移行している。ユーザーの関心も、音声通話の音質やつながりやすさから、通信速度に代表されるデータ通信の品質へとシフトしている。それに伴って消費者の苦情・相談件数が増えている。その要因は「最大150Mbps(ベストエフォート)」といった広告表記だ。情報通信政策に詳しい北俊一・ 野村総合研究所上席コンサルタントが解説する。 【セット販売「囲い込み六重殺」のワナ】 ◇くせもの「ベストエフォート」という言葉 「ベストエフォート」という言葉がくせものだ。直訳すれば「最善の努力」。ベストは尽くすが結果は保証しないという意味。2000年代前半に普及したADSL(アナログ電話回線を使った高速データ通信)によるインターネットサービスで、一般的に使われるようになった。 スマホの普及に伴い、モバイルデータ通信における最大通信速度と実効速度(