「時代の変化をどう読むか」というテーマでよく引き合いに出されるのが、オリックスの不動産事業にまつわる話です。それは、バブル末期、オリックスは不動産投資から手を引くタイミングが早く、傷を浅いものに抑えることができたというものです。もちろん、オリックスもバブル崩壊で痛手をこうむり、1993年から三期連続で減益決算となりましたが、多くの銀行や証券会社、ノンバンクが次々と破綻に追い込まれていった時代ですから、他社と比較すると傷は浅かったのだと思います。 これはバブル経済がはらむ危険性を最初から感知していた、ということではありません。オリックスも、実は途中までは他社と同じく膨張するバブル経済の流れに乗って走っていました。今では考えられないような儲け話があちこちに転がっていた時代です。その波に乗って「行け」と号令をかけたのも、「退け」と指示したのも当然CEOである私でした。 なぜ退くことができたのかと
![バブル崩壊を事前に察知できた「皮膚感覚」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7f9f8182bb9fec9d3bec368af50cb2fcc5639fa4/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpresident.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F3%2Fd%2F1200wm%2Fimg_3da6721730d06601511ea0ce6cfb2c9216211.jpg)