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  • 映画『風立ちぬ』のヒロインが「菜穂子」である理由

    宮崎駿氏の最新作『風立ちぬ』を見ました(以降は、ストーリー上の「ネタバレ」に触れている箇所もありますので、気になる方は映画を先にご覧になることをお勧めします)。 まず、零式戦闘機(通称「零戦」)の設計者である堀越二郎については、飛行機への思い一筋に生きた姿がアニメ一筋に生きた宮崎氏自身の生き方と重なって説得力がありました。戦争の問題については、控えめな表現ですが「国を滅ぼしてしまった」「(零戦は)一機も帰って来なかった」という台詞が全てを語っているように思います。 色々な議論が可能と思います。ですが、亡国に至った戦争は否定するが、資源の物量を技術力で補って究極の抑止力を目指した零戦開発の努力までは否定しないという宮崎氏の立場について、私は納得させられたということは申し上げておこうと思います。 ところで、この作品ですが、その堀越二郎の「零戦開発奮闘記」というストーリーに、堀辰雄の小説『風立ち

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    ROBOT_KUN 2013/07/29
  • 「国家戦略特区」構想で日米の株が暴落した理由

    6月5日に「内外情勢調査会」で行った講演で安倍首相は「成長戦略第3弾」を発表しました。ちなみに、既に発表された「第1弾」では「先端医療技術開発」に加えて、評判の悪い「3年育休」、第2弾は「農地集積で農業の競争力アップ」であるとか「クールジャパンのコンテンツ輸出促進」といった内容のものでした。 この第1弾と第2弾の内容は、規模的にも小さく、また説得力に乏しかったことから、今回の第3弾が期待されたわけです。ですが、結果的に東京市場はこの内容に対する失望売りとなり、時差の関係で後になったNY市場でも「アベノミクスへの失望と世界経済への悪影響」という材料から売りの口実にされてしまいました。 ロイターのリチャード・ハバード氏のコラムでは「成長目標だけが示されて、実行計画の中身がゼロ」。デジタルメディア「クォーツ」のマックスウェル・ワッツ氏は成長戦略の内容は「ひたすら退屈」。ヤフー金融面のビデオ、ダニ

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    ROBOT_KUN 2013/06/10
  • ボストン・テロ事件で米ロ関係はどうなる?

    4月15日のボストン・マラソン爆弾テロ事件は、18日の木曜日の夜以降、約23時間という容疑者兄弟の追跡劇の結果、兄は死亡、弟は逮捕という「結末」を迎えています。この事件ですが、展開によってはオバマ政権の政策にも影響を与えかねない問題も含んでいるのですが、現在のところはアメリカの世論は冷静です。 まず、米国とロシアとの関係、そしてチェチェンの一連の独立紛争と「テロ」の問題ですが、極めて興味深いのは、アメリカとしてはこの事件に大変なショックを受けているのは事実なのですが、過去の「チェチェンのテロ」に関する報道はほぼ皆無なのです。例えば、2002年のモスクワの劇場でのテロ、2004年の北オセシアでの学校テロなどの紹介ということはメディアを通じて一切行われていません。 その一方で、共和党の保守派などは「アメリカはイスラム教徒の聖戦(ジハード)テロに狙われた」であるとか「アルカイダとの関連を徹底的に

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    ROBOT_KUN 2013/04/26
  • ボストン爆弾テロから2日、情報が錯綜する中で犯人像の可能性は?

    (※引き続き速報です。あくまで現地時間の事件当日4月17日の21時半現在の情報に基づいての記述であることをご承知おきください。) 事件から2日が経過しました。犠牲者の3名は、8歳の男児、29歳のレストランマネージャーの女性、そして中国の遼寧省瀋陽市からボストン大学大学院に留学中の女子学生(数学と統計学専攻)であると発表され、ボストンだけでなく、アメリカは喪に服しています。 その一方で、17日の水曜日は目まぐるしい動きがありました。まず、物証として「爆弾容器にされた圧力鍋」であるとか「黒いダッフルバッグの破片」が回収されたこと、あるいは、現場を撮影した写真やビデオの解析が進んでいるなどといった情報が、当局から発表される一方で、FBIとボストン市警は「捜査に重要な進展があった」として会見を設定すると発表したのです。 この「会見」ですが、一旦実施されると発表されたにも関わらず、それが延期されると

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    ROBOT_KUN 2013/04/22
  • 東大入試の「面接導入」は成功するか?

    このニュースに関しては、ネット上に飛び交った反応が興味深かったです。多くの評論家だけでなく、アンケート調査の類でも「反対」が圧倒的なのです。恐らくは、「話下手だが才能のある若者が冷遇されそう」という懸念、あるいは「主観的な面接で評価が偏る」危険を心配しているのだと思います。 その奥には就活戦線を支配している「地頭(じあたま)+コミュ力」が重要という価値観が入試にまで及べば、大学までが単一の価値観に染め上げられて息苦しくなるという危機感があるのかもしれません。 ですが、今回の東大の「推薦入試+面接」の導入というのは、もっと切実な危機感から来ているのだと思います。何と言っても切実なのは、他大学での推薦枠という制度が定着しているという問題です。私大の多くの学部では、指定校推薦枠とかAO推薦などという制度がどんどん広がっていて、早いところでは高三の10月に「内定」ならぬ「合格内示」を行なっているの

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    ROBOT_KUN 2013/03/21
  • 副都心線・東横線の直通運転、不安感中心の報道に対して一言 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    (*関東ローカルの話題ですが、少々気になる問題ですのでお許し下さい) 3月16日(土)の始発電車からいよいよ、東京メトロの副都心線と東急電鉄の東横線が直通運転を開始します。これによって、既に副都心線と直通運転を行なっていた東武東上線と西武新宿線の車両が、東横線に直通することになります。また、みなとみらい線の「元町・中華街」から東横線・副都心線経由で西武池袋線の「所沢、小手指、飯能」や、東武東上線の「川越市、森林公園」行きの電車が終日走ることになります。 このニュースに関しては、直通運転の開始を直前に控えたここ数週間、移行に伴う不安に関する報道を何件か目にしています。不安というのは次の2点に集約されるようです。 1つ目は、渋谷での東横線(現在は地上2階)から山手線(地上2階)、東京メトロ銀座線(地上3階)への乗り換えが、東横線が地下5階の副都心線の駅に「もぐる」ことで混乱が生じる、具体的には

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    ROBOT_KUN 2013/03/03
  • 尖閣問題とオスプレイを「結び付けない空気」の研究

    米海兵隊MV-22垂直離着陸プロペラ輸送機(オスプレイ) は、空中給油なしの航続距離が普天間から魚釣島のレンジを確保する一方で、簡易ヘリポートは備えるものの、格的な滑走路の建設は難しい同島に要員を急派するには適切な輸送機であると考えられます。 であるにも関わらず、オスプレイの普天間配備と、尖閣をめぐる緊張とを結びつける議論はほとんど行われていません。それは、まるでタブーのような雰囲気があります。正に「空気」と言って良いでしょう。 では、どうして普天間のオスプレイと尖閣問題を結びつける議論は、一種のタブーになっているのでしょうか? 以前にこの欄で「腹芸」という表現で同様の議論をしたことがありますが、改めて「空気」として考えてみたいと思います。 この「空気」の背後には、以下の3つの問題があるように思われます。空気の種類としては、利害が錯綜し、問題が複雑化した場合に「誰も口に出して言わなくなる

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    ROBOT_KUN 2012/10/10
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