以前、私が働いていたF研究所は、筋電義手の処方を行う数少ない施設の一つだった*。筋電義手というのは、脳から発せられる命令が神経を通して伝えられた時に発生する微弱な電気的刺激を検知して、動く義手。5本の指すべての指を動かす筋電義手も研究がすすめられているが、一般的な筋電義手は手のひらを閉じる/開けるの単純な動きしかしない。それでも、動かない義手と違って、物をつかむことができるし、他の機能的な義手(フック型のものなどと比べると)ぱっと見、普通の手に見える。 去年、24時間テレビで、そこの施設で筋電義手を処方された少女がヴァイオリンを演奏する姿が放映された。先天的に上肢欠損で生まれると、無いのが当たり前なので、上肢がないことの不便さ、義手の便利さを感じにくいらしい。1回処方されても、長続きしない子どももいるそうな。ヴァイオリンの演奏は両手がないとできないので、リハビリとしても意味があるとか。 放