付利金利制度はなぜ生まれたか 日本銀行のマイナス金利政策解除の観測が強まる中、マイナス金利政策と同時に導入した3層構造の日銀当座預金制度の先行きへの関心も強まっている。 2016年以降、日本銀行は日銀当座預金の政策金利残高に適用される付利金利を、政策金利と位置づけている。これは日本銀行の債務、借り入れに適用される金利だ。 しかし長らく、日本銀行は民間銀行に対する日本銀行の債権、貸し出しに適用される金利を政策金利としていた。それがかつての公定歩合であり、その後の無担保コールレート(翌日物)誘導目標であった。 2008年に日本銀行は、日銀当座預金の中で所要(法定)準備以外の超過準備に適用される付利金利を、政策目的で初めて導入した。それは、日本銀行が量的な政策を進める中で、政策金利であるコールレート翌日物をコントロールするためだ。 そもそも金利と量は表裏一体であり、コールレート翌日物誘導目標を引