防衛省のシンクタンク、防衛研究所の年次報告書「中国安全保障レポート2016」で「東アジアの既存の安全保障秩序が一変する可能性」が指摘された。 力による支配は意思と能力がそろって初めて現実となる。中国の行動は明らかな意思を示しており、その中国が顕著な軍拡で秩序を一変させ得る軍事力を手にしたということだ。幻想を抱かず、彼らの実態を見通すべき局面である。 中国人民解放軍(PLA)は2013年以降、西太平洋で実戦さながらの大規模統合演習を行ってきた。わが国に関しては、東シナ海から太平洋側にかけて周辺海域を周回し、うかがい続けている。 空軍は「天空一体」(空軍と宇宙の衛星システムの統合)を掲げ、果敢に宇宙の軍事利用に挑み、30年までに新型戦略爆撃機、高高度防衛ミサイル、無人攻撃機など戦略装備の開発を目指す。 強軍戦略の下、習近平国家主席は大規模な改革を進め、軍を陸軍主体からサイバーとハイテクで超近代