映画『セザンヌと過ごした時間』の試写会にいってきました。 知られざる、ふたりの芸術家の友情物語です。 以下の感想では、一部映画の内容にも触れますので、ご注意ください。 映画は、1888年に小説家として大成したエミール・ゾラを、いまだ目の出ない画家ポール・セザンヌが訪れるシーンからはじまります。ひさしぶりの再会を喜びつつも、どこか複雑な表情を浮かべるふたり。ふたりを包む空気にはぎこちなさが漂います。いったい、何があったのか。 ゾラとセザンヌとの出会いは少年時代までさかのぼります。ゾラはイタリア系の貧しい母子家庭暮らし。周囲から格好のいじめの的となります。そんなゾラをかばい守るセザンヌ。そのお礼にと、ゾラは籠いっぱいのりんごをセザンヌに届けました。そこからふたりの友情ははじまりました。 「いつかりんごひとつでパリを驚かせたい」。 生涯で制作した200点のうち、60点以上もの作品にりんごを描いた