4月から消費税率が8%に上がり、「負担増の時代」が幕を開ける。だが、負担は超高齢化社会で報われるのだろうか。社会保障の現場から報告します。 ■通所介護施設に宿泊 表通りの年越しそばの店に家族連れが並ぶ大みそかの夜、そこはひっそりとシャッターが閉じられていた。東京都世田谷区の住宅街。路地の奥の戸建て住宅を改装した施設に、この夜も3人が泊まった。 通称「お泊まりデイ」と言われる。昼に自宅から通うデイサービスの事業所なのに、泊まり続ける老人がいる。デイサービスの利用は10人ほどだが、6、7人が宿泊の常連だ。 ふだんは階段の上り下りができる2人は2階の6畳で、車椅子が必要な人は1階の8畳ほどの部屋にベッドを四つ入れて雑魚寝のように寝る。ベッドの間には衣類など生活用品を入れた紙袋が積まれ、ポータブル型のトイレが置いてある。 夜勤の職員は1人。夜は汚物の処理をしないため、朝は臭いがむっと鼻をつく。老人