僕は面接するときに必ず聞く質問がある。それは「あなたが嫉妬する仕事は何ですか?」というものだ。他の人や会社が手がけた仕事を見て、「うわぁ悔しい。なんで俺じゃなかったんだ。俺がやるべきだったのに!死にたい…」と唸ってしまう仕事のことだ。 なぜかと言えば、やりたい仕事は何かと言語化しようとしても、いろいろなキーワードが出てくるばかりで輪郭ははっきりしない。むしろ具体的に嫉妬する仕事を挙げたほうが、どういう仕事を目指しているのかが浮かび上がりやすいからだ。 例えば、今年のカンヌ広告祭で賞を総なめにした「#FearlessGirl」というアイデアがある。これは、世界の金融ビジネス聖地NYウォール街にある力の象徴としての牛の銅像『チャージングブル』。その正面に、国際女性デーの前日に、立ち向かう姿の少女の銅像を設置するというもの。たったそれだけ。 ただ少女像は、働く女性、多様性が持つ力の象徴として、1