生活保護世帯が増え、教育格差の問題が日本でも顕在化している。統計によると学歴が高いほど生涯賃金が高く、中卒と大卒とでは1億円以上の開きがある。しかし、進学を諦めざるを得ない子どもも多い。 貧困の連鎖を断ち切るため、米国では1990年から「ティーチ・フォー・アメリカ(以下、TFA)」という非営利団体が活動している。 将来有望な学生などをトレーニングして貧しい地域の学校に2年ずつ教師として送り込むTFAの活動は、多くの子どもの能力を開花させたばかりではなく、教師側の人材から多くの優れたリーダーを生み出した。その成果を受けて、TFAモデルを世界に広める組織「ティーチ・フォー・オール」が発足した。 日本では、元教師の松田悠介氏が留学先でTFAに感銘を受け、2010年にNPO法人「ラーニング・フォー・オール」を設立。国内でも深刻さを増す教育格差解消のため、学習支援などを行ってきた。 このたび