2010年1月17日 銀メダルを手にした安藤美姫は笑っていた。昨年12月のGPファイナル(東京)で、世界女王の金妍児(韓国)に次ぐ2位となり、国内では一番乗りでバンクーバー五輪代表を決めた。最終選考会の全日本選手権で6位と低迷して落選を覚悟しながら、それまでの実績で滑り込んだ4年前とは違う、余裕のある代表入り。「成長したご褒美かな」と、素直に喜んだ。 18歳で出場したトリノ五輪は、女子で唯一の4回転ジャンパーとして日本中の期待を一身に集めた。「毎日、リンクでテレビカメラが回っていたり、家の前の公園にまで報道関係の方がいたこともあった。プレッシャーだったと思う。でも、五輪が終わったら『はやりが終わった』みたいな感じで離れていった」。多感な高校生は周囲の過熱ぶりに戸惑い、振り回された。 昨年12月、GPファイナル女子フリーで2位となった安藤美姫 今回は、それほどの重圧は感じていない。五輪シーズ