「こころ」はどうやって壊れるのか ~最新「光遺伝学」と人間の脳の物語 作者:カール・ダイセロス光文社Amazonこの『「こころ」はどうやって壊れるのか』は、精神科医として現場に立ちながら、光を用いることで脳の活動を観測や制御を可能にする、「光遺伝学」の第一人者として知られるダイセロス博士による、一般向けのノンフィクションである。 タイトルにも入っているように光遺伝学がどのような分野で、何が解明されつつあるのかについての解説が行われるのはもちろん、博士が実際に関わってきたさまざまな症例の患者たち(大鬱病、躁病や双極性障害、自閉スペクトラム症など)の人生と、それが光遺伝学の観点からどう説明できるのかが語られていく。寄せられている賛辞の中には『妻を帽子とまちがえた男』などで知られるオリヴァー・サックスの名を挙げるものがちらほらあるが、たしかに傾向としては近い本/書き手といえる。 正直オリヴァー・