ひのでが撮影した金環日食。コロナをまとった太陽の中に、まっ黒な月がすっぽり入っている=国立天文台、宇宙機構提供 国立天文台と宇宙航空研究開発機構は6日、太陽観測衛星「ひので」が、世界で初めて撮った宇宙から見た金環日食の画像と動画を公開した。日食は4日にあり、欧州やアフリカなどで観測できたが、地球上では部分日食しか見ることができなかった。 ひのでが北極の上空680キロを通過した際、太陽に黒い月がすっぽり入った瞬間をとらえたという。国立天文台によると、2007年に太陽がすべて隠される皆既日食を撮ったことはあるが、金環日食は初めて。今回は月が地球から遠い時期だったため、月の見かけが小さかった。 日食で強い太陽の光が一部だけ遮られると、望遠鏡内で散乱する光がよくわかる。画像処理に反映させて解像度を上げたり、今後の望遠鏡の設計に生かしたりできるという。(東山正宜)