ネット初期の頃はアングラ文化が中心だった。歯の根が合わないような恐怖に震え、クリックひとつでさえ躊躇われ、心臓が早鐘を打つ世界であった。他人を追い詰めて血祭りに上げるくらいは造作もない凄腕ハッカーの集まりという世界観だったのである。プログラムが出来るという詐称は普通であった。最近の若者だと小さい頃からパソコンがあるので、プログラムが出来るのはさほど自慢にはならないが、それより前の世代においては稀少性が強いのでかなり憧れの対象だったのである。津田大介もSNSでブレイクするまでは貧乏ライター時代が長いので、かつてはアングラ文化の中で「本当はすごい人たち」の輪の中にいたわけである。津田大介自身が凄腕のハッカーだという詐称はしてなかったと思うが、だいたいその類のパソコンの達人で他人を抹殺できると称する恐いひとたちの中にいたわけである。その結果として誕生したのがネットランナーというゴミ雑誌であり、す