庵野秀明総監督の映画『シン・ゴジラ』が、大ヒットを記録している。同監督がゴジラという謎の巨大生物を持ち出すことで描きたかったのは、日本の政府が意思を決定していくプロセスだったのだろう。映画の中では、総理大臣や大臣、官僚、補佐官が、未曾有の危機を解決すべく奮闘していた。 『シン・ゴジラ』は、映画ファンや監督の庵野ファンのみならず、軍事評論家から元防衛大臣までが関心を寄せ、すでに大量の批評や考察がなされている。自衛隊の働きに関する論評も多い。 私は元自衛官だが、戦闘艦艇から人間が乗る船舶を照準して砲弾を撃ったことはあっても、戦車から砲を撃ったこともないし、撃たせることについて考えたこともない。戦闘攻撃機に至っては、駐機しているものにさえ乗ったことがない。だから、触ったこともないものをどう使うべきだとか、無責任に語る気もその資格もない。 違和感を禁じ得ない場面があった しかし、特殊部隊の作戦指揮
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