(前回から読む) 9月11日、国連安保理が新たな制裁案を採択したが、北朝鮮に核・ミサイルを放棄させる効果は期待できない。味をしめた北朝鮮は核武装を世界に認めさせるため、日米分断など陽動作戦に動くだろう。 原油は現状維持 安保理が採択した9回目の北朝鮮制裁案は? 鈴置:効果は期待できません。肝心の原油の全面禁輸が盛り込まれなかったからです。新たな制裁案では現状水準で凍結するに過ぎません。金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対する資産凍結・渡航禁止も外されました。 一体、何が新しいのですか? 鈴置:北朝鮮の繊維製品の輸出禁止と、国連加盟国における北朝鮮労働者への就労許可の禁止です。ただ後者に関しては、中国やロシアで現在働く労働者の送還は見送られました。 米・日は原油の完全禁輸と、北朝鮮の外貨獲得手段の封鎖など強力な制裁を目指しましたが、中ロの反対で完全に骨抜きになりました。 水爆を持ったことに留