福島原発の事故によってすでに膨大な放射性物質が環境に放出されてしまった。 放射性物質は自然循環に入り込み、私たちの元へとやってきた。 「ヒバクシャー世界の終わり」で私はヒロシマ・ナガサキ以降にうまれた新しい「ヒバクシャ」にイラクで出会った。 石油争奪戦争に打ち込まれた原子力産業のごみから作られた劣化ウラン弾がイラクの子供たちから命を奪っていた。 遠いイラクで起きていることと私たちが日本で毎日電気を使う生活がつながっていることをあまりにも多く人々が知らなかった。 原子力発電に頼ることの内実、意味を「六ヶ所村ラプソディー」で問いかけた。 原発の正体、放射能汚染の危機を知ってもらいたかった。 そして、「ミツバチの羽音と地球の回転」で原発から足を抜く希望を描いた。 希望へと至る道程には絶望が埋め込まれている。そこを経ることなくして希望を手にすることはない。 二本の映画を観て311