5年ほど前、会社の健康診断で「運動不足」を指摘された。 まあ確かに、仕事で身体を動かす以外、ほとんど運動らしい運動をしていなかったこともあって、私は一念発起、ジョギングをすることにした。 自宅近くを、一時間ほど走ったり、ぶらぶら歩いたり、そしてまた走ったりといった感じの自由なジョギングだった。 ジョギングをする時間は、朝5時ぐらいと決めていた。会社へは7時には家を出る。帰宅は日によって違うが、だいたい夜10時は過ぎる。そうなると、朝しかジョギングに当てられる時間がなかった。 ジョギングを始めて、三日目だった。 小さめの信号のある交差点に差し掛かった時、電柱の影に男の人が見えた。 年の頃なら30代後半ぐらいである。 ジャケットにスラックス姿の男性である。 ただ、顔の色が青く、存在も薄かった。 私「(幽霊・・・)」 そう心の中で呟いた。 青い顔の男性は猫背気味で、俯いていたが、私が通りかかると