2027年に東京(品川)―名古屋間で開業を目指すリニア中央新幹線で、JR東海の柘植康英(つげこうえい)社長は2日、年度内としていた名古屋市ターミナル駅本体工事の開始時期を先送りすると表明した。 改めて着工時期の目標を今年末とする一方、効率のよい工法を取り入れることで工期の短縮が図れるため、「開業時期には影響がない」と述べた。 先送りの理由については、名古屋駅の地下には古い建物の基礎といった障害物が多いうえ、比較的浅い場所を地下水が流れていることなどが準備工事や調査で判明し、「品川駅以上に複雑で大規模な工事となる。計画の細部を詰めるには時間がかかる」と説明した。 リニア中央新幹線を巡っては、昨年12月、最難関とされる南アルプスを貫くトンネル(総延長25キロ・メートル)の起工式が行われ、今年1月下旬には品川駅が本格着工している。