1990年代当時、日本最大規模といわれた有害産業廃棄物の不法投棄事件「豊島(てしま)事件」をきっかけに、建築家の安藤忠雄氏と、事件の弁護団長だった中坊公平氏の呼びかけによって設立された瀬戸内オリーブ基金。2001年に始まったこの瀬戸内オリーブ基金への支援が、ユニクロのサステナビリティ活動の起点となった。世界で最も尊敬される建築家の一人である安藤忠雄氏と、ユニクロ会長兼社長の柳井正氏との22年間に渡る交流について、安藤氏に取材した。 安藤忠雄氏と社会問題 建築家・安藤忠雄氏(写真提供:安藤忠雄建築研究所) 元プロボクサーで、独学で建築を学んだ、という異色の経歴で知られる建築家・安藤忠雄氏。安藤氏が稀代の建築家と呼ばれ、世界中から尊敬を集めている理由の一つは、建築という枠組みを超えた、社会活動への旺盛な取り組みにある。 ──安藤先生は様々な社会貢献活動や環境保護活動をされていますが、そのような