これまで日本経済をけん引してきた自動車・同部品(輸送機械)、電機、鉄鋼、一般機械などグローバル製造業の国際競争力の低下が懸念される中、目指すべきわが国産業の方向性として2つを掲げる。1つは、技術力のあるものづくり中小企業、システム・インフラ産業、感性・文化産業(ファッション、観光など)などを従来のグローバル製造業と同様に海外のマーケットにつなげること。いま1つは、製造業とサービスの垣根を越えること、具体的には地域の内需型産業が社会的課題(環境・エネルギー対策、高齢化対策など)をビジネスにし、海外をも視野に展開していくことである。 近年、世界の中で日本の経済的な地位は低下している。1人当たりGDPの世界ランキングは、国際通貨基金(IMF)等の資料によれば、2000年に3位であったものが2008年には23位、GDPに占めるシェアも、1990年に14.3%であったものが2008年には8.9%と大