震災をありのまま、そのままに記録していくこと。福島でこの時を生きている人間が、これからの子どもたちへ手渡さなくてはいけないことだと、物書きとして信じてきた。 震災当時は、状況下で何かを伝える方法は私にとってツイッターしかなかった。発信していくうちに、たくさんの方からメッセージをいただき、励まされた去年のことを昨日のことのように思い出す。やがて書き続けたものは「詩の礫」など3冊の本にまとまった。終わらずにさらなる詩作や、被災者へのインタビュー、ノンフィクション作家の佐野眞一さんとの対談の機会を重ねてきた。この春にそれぞれ四冊の新刊となった。感謝したい。 「ふたたびの春に」は、震災後の一年間を綴った詩とエッセイから成り立っている。「震災ノート」とサブタイトルが付されているが、手帖や帳面などに書いてきた、震災後の春夏秋冬の日々をこの一冊にまとめた。 ところで私はそもそも日記などが苦手である。しか
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