忘年会のシーズンです。その年の新卒社員が幹事をするのが通例のある会社で退職騒動が起き、経営者は頭を悩ませています。どういうことでしょうか。特定社会保険労務士の井寄奈美さんが事例をもとに報告します。【毎日新聞経済プレミア】 ◇忘年会 幹事の新人が退職願 A郎さん(50)は、従業員数約100人の製造会社の経営者です。同社は、その年の新卒社員が忘年会の幹事をすることが通例です。しかし今年は、幹事の新卒社員B太さん(23)が準備を進めているさなかに退職を申し出る事態となり、A郎さんは驚きました。ずっと続けてきた忘年会のやり方を変更すべきかどうか、悩んでいます。 ◇忘年会は盛大な社内行事 A郎さんの会社は先代の父のときから、毎年2~3人の新卒採用を続けています。同社では年3回、社員同士の交流と慰労のために新入社員歓迎会、暑気払い、忘年会を会社主催で行っており、忘年会は新卒社員が幹事をします。幹事は管