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ブックマーク / 1day.hatenablog.jp (3)

  • あめふり - 一日

    2014-08-23 あめふり めざめたときから雨ふりの土曜日は、生ま れて三年のひとには退屈極まりないようで 絵もあらかた読みつくし、怪獣になって ふとんの山を破壊してもまだ疲れを見せず 外に行きたがるのをなんとか宥めてお昼寝 に誘いますおなかにタオルケットをかけて目を閉じる よう促しても、三歳のひとは少しも眠たく ならぬらしく、お話してしてとねだるので しかたなく枕の上に指を二置いてお話の はじまりです 左手の、中指が左足で人差し指が右足の小 さなひとはどこにでも行けるのです 月の上を歩いたり南の島の王さまに拝謁し たり虹をべたり亀と戦ったりするのですやわらかく降る雨の音はざあざあではなく さあさあと聞こえます さあさあ寝なさい、お話はそのぐらいにね そんな風に隣の部屋から見ていた三歳のひとの父親は よくそんな口からでまかせを次々に言える なあ

    Shabondama
    Shabondama 2014/08/25
    そうか、ポンパーに冒険させることなんてわけないよね。
  • タイトロープ - 一日

    2014-08-20 タイトロープ 結婚をするということはもうあなたの戻る場所は無いということだからあれもこれも捨てていって頂戴と、家のひとが言ったことばはお願いの色でありながら完全な命令のかたちをしていて、しかたないなあと思いながらも、やっぱり写真や手紙や人形を捨てるのはつらかったです。 結婚する相手のひとにも、お前はここで新しい暮らしをはじめるのだからあれこれ昔のものを持ってくるんじゃないと言い聞かされて、それでもせめてお小遣いを貯めて買ったの数々はと思っていたのに二、三日留守にしているあいだになくなっていました。スカーレット・オハラも明智小五郎もヒースクリフもみんなどこかへ行ってしまいました。戻る場所は無いと言われましたし、それでも今いる場所ではあなたは余所から来たひとと呼ばれますし、いまの暮らしに満足しているつもりでもちょっとしたことで涙が出たりして、いつもぐらぐらしているから

    Shabondama
    Shabondama 2014/08/21
    昭和の前半のちょっといいおうちの女の人が10代で嫁いだ、みたいなイメージがなんとなく浮かんだ。
  • まわる - 一日

    2014-08-07 まわる 「HEP FIVEは大阪梅田の複合施設、ビルの屋上の赤い観覧車が目印」と観光用のガイドブックを読み上げると、その人は今から乗りにいこうと言って私の返事を待たずにせかせか歩いて行ってしまった。まぁあんなもん観光客しか乗らないけどね、と馬鹿にしたように言うからわざと「私ハ観光客デスカラ」と平板な声で答えてやると困った顔をする。数歩あとをついて行きながらヘップファイブってへんな名前、ヘップだってヘップゥ、と殊更にふざけながら何度も言った。あと数時間後には私は新幹線で博多まで帰るから、なにかしら喋っていないとたぶん泣く。 友だちだった頃には近くにいたのに恋人になった途端に住まいが離れてしまうというのは、もしかしたらご縁が無いのかもね。なんてことは話せないし、だからやっぱりヘップヘップとふざけながら歩いていく。HEP FIVEは名前もへんだし、遠くから見るとビルとビル

    Shabondama
    Shabondama 2014/08/07
    最後まで読んでから開いたのがはるなさんのブログだと気付いた。やっぱりいい。/右上にちゃんと寺地はるなってかいてあったのに文章に吸い込まれて気づかなかった。
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