児童相談所でそのとき、親は―。子の安全のため、親から子を引き離す一時保護の言い渡し。通常、第三者の目に触れることのないやり取りの一端が、静岡地裁で審理された公判で明らかになった。一時保護に関する話し合いは、児相職員にとって緊張が最も高まる場面の一つ。その瞬間、職員にカッターナイフを示して脅したとして、暴力行為処罰法違反の罪に問われた静岡市の主婦(42)に24日、地裁は懲役10月、執行猶予4年(求刑懲役10月)の判決を言い渡した。 判決やこれまでの公判によると主婦は小学5年生の長男と2人暮らし。6月30日、面談のために訪ねた同市の児相で、パチンコや飲酒をやめる意思がないことや長男の意向を理由に、一時保護決定を告げられた。 「認めない」「子どもを返せ」。主婦は怒り、事務室にあったカッターナイフを手に取った。「これでも保護するのか」と、女性職員の顔近くに刃先を突き付けたという。「息子を拉致さ