もう一度観たい映画と、もう観なくていいと思う映画があります。 自分が一番多く観た映画は、ラッセル・クロウ主演「グラディエーター」です。壮大な音楽と、ローマ帝国時代の光と闇を描いた作品。愛する妻と子を殺された主人公が、心の中のわずかなともし火を胸に、闘い続ける姿に感動しました。 愛する妻を兵士大勢に強姦され、子供もろとも火あぶりに処せられた主人公の静かな怒り……それが、残虐な命令を下した皇帝の目の前で、大勢の民衆が熱狂するコロシアムの中で炸裂する。その闘う雄姿は、彼と気付かぬ皇帝をも魅了した。 印象的なシーン。民衆が、殺すな!と言うので、主人公を殺すことができなかった皇帝。この皇帝役のホアキン・フェニックスが好きです。この俳優でなければこの複雑な役は務まらないでしょう。 復讐とはなにか、自らの命を捧げても、今の自分を愛する誰かがいたとしても……それでも成さねばならないことなのか、その悲しみを