■本物よりも本物っぽいニセ官僚、ド田舎に産業をもたらす―中国■ *婁底市経済技術開発区から経済顧問の雇用書類を受け取る趙(中央)。 趙錫永という一人の“ニセ官僚”が中国で話題となっている。2010年から3年間もニセ官僚として活躍を続けた詐欺師としての腕前もさることながら、地方に産業を誘致するなどなにげに本物以上の「良い官僚」だったりする。 2013年3月21日、南方週末が伝えた。 ■バネ工場責任者からの出発 趙錫永は1955年、瀋陽市の出身。1990年代には瀋陽バネ工場の責任者を務めていた。1998年、朱鎔基改革の下崗(レイオフ)ラッシュが瀋陽市も席巻。趙も工場を離れた。その後、4つの企業を設立した記録が残されている。しかしいずれも2008年までに登記は抹消されている。 趙が初めて“ニセモノ”としての身分で登場したのは2008年のこと。広州市で遼寧省の幹部と会見した。その時の趙の肩書きは、