スズメに似た野鳥、ノドジロシトドの配偶者選びは、雄か雌かだけでなく体色にも左右されるようだ。生態学者Elaina Tuttleは、こうした配偶システムの基盤にある奇妙な染色体の進化を解明することに生涯を捧げた。最後は、がんと闘いながら研究生活を全うした。 クランベリー湖には、生物学者Rusty Gonserがいつもそこで耳にしてきた鳥の歌声が響いていた。しかし、彼はもう二度とそこで、別の慣れ親しんだ声を聞くことはできなかった。 Gonserは25年以上にわたって、妻のElaina Tuttleと毎年夏に、アディロンダック山地にあるこのフィールド調査地を訪れてきた。最寄りの道路からボートで45分かかる場所だ。揺れる木の桟橋にボートを係留している彼の耳に、「オゥ・スウィート・カナダ」と聞こえるおなじみの短い歌声が届いた。それは、スズメ目ホオジロ科のノドジロシトド(Zonotrichia alb