知らないうちに、部下を潰してしまうマネジャー 「やはり成果主義が大切だ。成果を出せば報酬を上げると言えば、部下は頑張るよ」 「高い目標を与えることが大事だ。目標達成のために叱咤激励すれば、成果も上がる」 「仲間と競争させれば、目の色が変わってくる。オレも、部下同士の競争をあおっているよ」 多くの企業では、これがマネジャーの常識ではないだろうか。しかしこれらの常識を覆したのが、心理学者エドワード・デシが書いた『人を伸ばす力』だ。デシによると、報酬・高い目標設定・競争は、部下を潰すこともあるという。 オットセイの曲芸を見たことがある人は多いだろう。腹ペコのオットセイは飼育係が持つ魚を目当てに、前ビレで拍手したり観衆に手を振ったり、何でもやる。オットセイを見て、こう考える人もいるかもしれない。 「同じように魚を与えれば、部下や子どももいうことをきくんじゃないかな?」 しかしオットセイはご褒美の魚