鳩山由紀夫首相の発言が閣僚から「無視される」という異常事態が続出している。子ども手当や環境税で、首相が明確な方針を示したにもかかわらず、その後、閣僚が平然と異論反論。首相の威信を揺るがしている。(酒井充) ◇ 首相の発言無視といえば長妻昭厚生労働相かもしれない。テーマは来年度に実施する子ども手当。政権発足直後から、国と地方の負担分担論議があった。 突如、裁定を下したのは鳩山首相だ。首相は10月20日、「全額、国が負担するのは当たり前」と珍しく断言。「この方向で必ずまとめる」とまで言い切った。総務省関係者は「流れが決まった」と笑顔をみせた。 ところが、首相が言い切ったにもかかわらず、長妻氏は12月に入ると、現在の児童手当の地方負担分約5700億円を財源に充てる案を念頭に「地方負担が選択肢としてある」とあっさり首相の決意を否定。首相の女房役、平野博文官房長官