「で、で、出前館、出前がスイスイスーイ」――ダウンタウンの浜田雅功さんをCDO(チーフ出前オフィサー)として迎え入れ、先行するUber Eatsを猛追すべく年間39億円の広告宣伝費を投じた出前館。コロナ禍で高まる需要とともにオーダーが増加し、過去最高の売上高ながら、この度発表された2020年8月期の通期決算発表では、連結ベースで41億円の赤字決算となり、昨期予想である16億円の赤字を大きく上回った。 コロナ禍で注目を集めるフードデリバリー市場において、出前館とUber Eatsはそれぞれ異なる戦略の下で展開を続ける2社と認識されているが、両社の足元の動きから見える戦略を紐解きながら、フードデリバリー市場の展望を解説したい。 直接雇用の出前館、個人事業主のUber Eatsという思い込み 出前館とUber Eatsの大きな違いの一つとして知られているのは、出前館は自社で雇用したアルバイトが配