【ブリュッセル=尾関航也】ブリュッセルで12月2、3の両日開かれる北大西洋条約機構(NATO)外相理事会が、グルジアとウクライナの「加盟候補国」への格上げを見送ることが確実な情勢となった。 グルジア紛争の結果、欧州諸国に慎重論が強まり、加盟推進派の米国も説得を事実上断念した。NATOの東方拡大阻止を図るロシアにとり、ほぼ思惑通りの展開となっている。 米国のカート・ボルカーNATO代表部大使は11月28日、声明を発表し、加盟候補国認定をめぐる議論が「政治問題化しすぎた」との認識を表明。そのうえで、候補国の地位を与えないまま、将来の加盟受け入れへ向けた実質的作業を進めることを提案した。 駐ブリュッセル外交筋によると、少なくともドイツとフランスは、グルジアとウクライナ両国の国内政局の混乱を理由に、両国の加盟手続き開始に反対する姿勢を崩していない。 このため米国は、候補国という「名」を捨てて加盟推