【モスクワ=副島英樹】1月のガス紛争でロシアからの天然ガス供給が止まった欧州連合(EU)と中継輸送国ウクライナが23日、ウクライナのガスパイプラインなど老朽化した設備の更新で協力する共同宣言に署名した。これに対しロシアは、ガス供給国の意向を無視して進められたと反発、プーチン首相は「思慮が足りず、素人のやり方だ」と批判した。 ウクライナの妨害で欧州へのガス供給が滞ったとするロシアは、ウクライナを迂回(うかい)して欧州にガスを輸送する南北2本のパイプライン建設計画を進めている。プーチン首相は「ロシアの利益が無視されるなら、EUとの関係の見直しも始める」と警告した。 イズベスチヤ紙によると、EUはウクライナに対し、パイプラインやポンプ施設、ガス貯蔵施設の更新などに26億ドル(約2550億円)の融資を決めた。宣言はブリュッセルで23日開かれた国際会議で署名されたが、ロシアについて一言も触れられ