残暑が続く。食欲がなくても、果物なら何とか食べられそうだが、不思議にも、バナナとキウイを除く果物の消費量は軒並み減少している。「面倒くさい」という消費者のわがままぶりが明暗を分けているようだ。【小島正美】 ◇リンゴは皮むき、種出し嫌われ/酸味苦手な若者、ミカンも不振 表を見てほしい。総務省の家計調査データに基づく消費者の果物の購入数量だ。過去5〜10年間の推移を見ると、リンゴ、ミカン、ナシ、ブドウ、スイカ、モモ、メロンなどは軒並み減少。増えているのはバナナとキウイだけ。要因は何か。 「安くて手軽に食べられる。これが最大の要因でしょう」と言うのは、果物と野菜のプロである杉本晃章・杉本青果店主(東京都足立区)。 バナナは安いうえに皮をむくだけで朝食代わりに食べられる。ここ1、2年はダイエットブームにも助けられた。輸入会社のドールは6月下旬、東京都渋谷区と稲城市にバナナの自動販売機を設置