インド北部で、琵琶湖4個分に相当する地下水が6年で失われたとの分析を、米航空宇宙局(NASA)のチームがまとめた。食料需要の増加で水を大量消費したのが原因という。チームは、対策を取らないと、約1億人の地域住民の飲み水などに打撃を与えるほか、国境を接するパキスタンと水確保をめぐる紛争の火種になりかねないと懸念している。英科学誌ネイチャー(電子版)に発表した。 分析は、米独が開発した重力観測衛星「グレース」を使った。この衛星は2機1組で、重力が大きい場所の上空を通過するとき、2機の間隔が狭まるのを利用して重力を測る。チームはこの性質を利用し、インド北部のラジャスタン、パンジャブ、ハリヤナの3州での貯水量の変動を調べた。 その結果、2002年8月から08年10月にかけて、同地域の地下水位が毎年4センチずつ低下し、失われた水量は琵琶湖の約4倍の109立方キロに達することが分かった。 この期間の年間