大地震と大津波によって引き起こされた日本の原子力発電所事故から2年以上が過ぎた現在も、福島の原子力災害はアジア太平洋地域において最も深刻な健康への脅威、および、世界でも類を見ない放射能汚染となっている。福島第一原発から地下へと漏れ続ける汚染水は太平洋全体を汚染する恐れがあり、その対処には未曾有の世界的な取り組みを必要とする。 事故当初においては、環境へ放出された放射性物質はセシウム137と134、そして比較的少量のヨウ素131を含んでいたことが明らかになっているが、長期的な健康被害は主に人体に容易に吸収されるセシウム137によって引き起こされると考えられている。セシウム137の半減期は30年と言われており、数十年に及び健康を脅かすことになる。最近の調査によると、福島第一原子力発電所から漏れた汚染水に含まれるストロンチウム90の量が増大していると指摘されている(ストロンチウム90はセシウムよ