2007年11月某日、渋谷のアミューズCQNで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を観た。公開初日から二ヶ月以上経っているとあって、館内にはリラックスした雰囲気が漂っていた。初日に並んで観にゆくほどではないが、あの『エヴァ』の新劇場版が作られることはもちろん知っており、だからこうして劇場がすいてくるのを心待ちにしていて、さて、とやってきたという感じの人が多い。こうした穏やかな期待の波に包まれて映画を観られることは、幸運なことだ。上映終了後、同じ映画を見ていた七里(id:nanari)と出口付近で合流、無言で互いにうんと頷く。彼、七里について、このブログを読んでくださっている方に長々と説明する必要はおそらくないだろう。インターネットのブログ上における最高の書き手の一人だと言えば説明はそれで足りる。彼のブログ『七里の鼻の小皺』は2004年末に開設され、簡潔な読書メモを目指していたらしい当初の目論見