2010年01月11日00:43 カテゴリ経済 イノベーションは「いじくり回し」である 日本でも大ベストセラーになった『ブラック・スワン』に続いて、今年中に出るといわれるタレブの新著、"Tinkering"の草稿の一部が、彼のツイッターで公開された。ランダムなメモなので非常に読みにくいが、私が解読した範囲で簡単に紹介しておこう(日を追って逆順に書かれているので、最後から読んだほうがわかりやすい)。 本書のテーマはイノベーションで、タレブはそれをtinkering(いじくり回し)と呼ぶ。イノベーションは、科学的発見に似ている(これは当ブログでも論じた)。それは論理実証主義の考えるような「帰納→理論→演繹」といった機械的な手続きで行なわれるのではなく、科学者の発見した仮説を検証(反証)するものだ。では、その仮説はどうやって発見されるのか。そこには論理はないのか――これは分析哲学の最大の難問であ