低迷のゲーム市場が、「ニンテンドーDS」や「Wii」の投入でにわかに活気づく中、ソフトメーカーは必ずしもその恩恵にあずかっているとはいえない。さらにベンチャーや米国メーカーとの競争にさらされ、構造転換待ったなしだ。ソフト業界の今後を追った。 任天堂がついに「限界」を突破した。 日本のゲームの限界普及台数は2000万台というのが、これまでの業界の定説だった。ところが、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」は2356万台を売り上げ、今も売り上げを伸ばしている。 岩田聡社長が「DSはゲームの流れそのものを変えた」と胸を張るように、絵に描いたようなひとり勝ちの状況にある。業績絶好調を受けて、時価総額がトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループに次ぐ3位に躍り出たのも、むべなるかなである。 携帯型ゲームのハード市場は「ニンテンドーDS Lite」が発売された2006年を境に、飛躍的に成長。